論文

Team3   社会活動支援・活力ある高齢者の研究チーム

No.1  スロージョギング®による安全かつ効果的な予防プログラムに関する研究

チームリーダー:上原吉就(スポーツ科学部教授、身体活動研究所)

「ヘルスツーリズム」の運動・食事介入の要素を大学生アスリートの日常に取り入れた1週間の減量プログラムの効果
2021/05/25

本研究は日本スポーツ栄養研究誌 vol. 11, 16-24, 2018に掲載されております。

1 週間の短期間減量プログラムにおける運動介入と高たんぱく質に設定した場合の低炭水化物食または高炭水化物食による食事制限がアスリートの身体組成に及ぼす影響を検証しました。

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本研究の対象者は、大学の運動部に所属し、週 5 日以上のトレーニングを行っている健康な若年成人11 名(男性 7 名、女性 4 名)としました。対象者は低炭水化物食群 6 名、高炭水化物食群 5 名に無作為に割りつけました。減量期間は 7 日間とし、両群とも日々のトレーニングに加え、 1 回40分のスロージョギングを 1 日 2 回実施しました。 食事は「ヘルスツーリズム」食事制限プログラムを参考にし、管理栄養士が1 日 3 食をすべて提供しました(理想体重×20kcal/day)。たんぱく質摂取量は体重あたり1.4 ~ 1.5g/kgとし、炭水化物の割合は、低炭水化物食群30%、高炭水化物食群50%に設定しました。また、脱水による減量を避けるために、参加者には積極的に水分を補給するように促しました。なお、本研究は減量中のアスリートの栄養教育も兼ねて実施されているため、大学生アスリートでも実施しやすいように、 コンビニエンスストアや24時間スーパーを中心に入手できる食材・惣菜を組み合わせて提供されました。

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その結果、ヘルスツーリズムの「非日常」のプログラムと同様にアスリートが「日常的に」1週間の減量プログラムで、低炭水化物食群が1.9 kg、高炭水化物食群が1.8kgの減量を達成した。さらに、除脂肪量は維持されました。日常的に運動・食事を組み合わせた脱水の伴わない短期間減量プログラムは、将来的にアスリートのカラダづくりやパフォーマンスの向上に有効なプログラムの一つとして役立つかもしれません。

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