論文

Team2   学校適応支援・活力ある人間形成の研究チーム

No.2  小学校の体育授業をスポーツ科学部生が支援

リーダー:乾眞寛(スポーツ科学部教授)

子どもの脳・神経を目覚めさせるとっておきコーディネーション運動〜メンタルストレス軽減効果の検証〜
2022/01/20

泉原 嘉郎 / 乾真寛

コーディネーショントレーニングの心理的効果を検証した論文が、神経治療学(第38号3)に掲載されました。こちらをご参照ください。

福岡市内小学校の4年生児童(18名)を対象に、コーディネーション運動を行い、ストレスの軽減効果を検証しました。

対象となる小学4年生児童向けに、運動内容および順番等を含め、独自にプログラミング・作成した40分程度のコーディネション運動(リズム系のコーディネーション運動)を実施しました。

n2-2-14-1.jpg(写真1:研究授業の様子)

尚、ストレスの軽減効果を調べるために、運動の前後で、唾液中コルチゾールレベルの測定を行いました。

その結果、コーディネーション運動の実施前に比べ、実施後の方が、唾液中コルチゾールレベルが有意に減少しました(図1/表1を参照)。

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     (図1:運動前後のストレスレベルの変化)

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(表1:コーディネーション運動前後の結果について)

本研究で行った検証により、低強度・低負荷で実践可能となる、リズム系のコーディネーション運動を用いた、疲労及び精神的ストレスへの軽減効果を確認することができました。

今後は、「バランス」や「反応」、あるいは方向感覚を刺激する「スペーシング課題」など、異なるテーマを主とするコーディネーション運動を実施した際の効果や、男女差の有無など、さまざまな視点からの検証を重ねていきたいと考えています。

※ 図1及び表1につきましては、神経治療学(第38号3, pp.240-pp.243)より引用、抜粋しました。