2012年 10月 12日
産学官連携研究機関・都市空間情報行動研究所(所長:経済学部 齋藤参郎教授)のポストドクター山城興介さんが10月7日に立正大学石橋湛山記念会堂で開催された第42回日本地域学会年次大会において平成24年度日本地域学会学会賞田中啓一賞(博士論文賞)を受賞しました。これは、山城さんの博士論文「消費者行動アプローチにもとづく交通政策の評価に関する研究」の研究業績が認められたもので、今年5月19日の日本不動産学会学会賞(湯浅賞)に続く受賞となりました。山城さんの功績に敬意を表するとともに、これからのご活躍をお祈りします。
博士論文「消費者行動アプローチにもとづく交通政策の評価に関する研究」(福岡大学大学院・平成24年3月)の内容は次のとおりです。
本論文は、交通政策や開発プロジェクトの実施前後での消費者行動の変化から、これらの政策を評価する枠組みを消費者行動アプローチと呼ぶ。都心100円バスや地下鉄開業などの具体的な政策を取り上げ、都心部消費者回遊行動調査によって得られる消費者行動マイクロデータにもとづけば、来街者数や回遊移動者数といった人数ベースでの政策評価のみならず、集客増や回遊促進による都心への支出増大効果も経済効果として予測、計測、評価ができることを示すとともに、回顧的パネルデータによる消費者の層化CES効用関数の推計を可能にするなど、空間経済学にもとづいたミクロ経済学的基礎付けをおこなって、消費者行動アプローチによる一貫した政策評価の枠組みが構築できることを示したものである。
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