Ⅳ.科学技術イノベーションの基盤的な力の強化
(1)人材力の強化
②人材の多様性確保と流動化の促進
ⅰ)女性研究者の活躍促進
多様な視点や優れた発想を取り入れ科学技術イノベーション活動を活性化していくためには、女性の能力を最大限に発揮できる環境を整備し、その活躍を促進していくことが不可欠である。我が国の研究者全体に占める女性の割合は増加傾向にあるものの、主要国と比較するといまだ低い水準にとどまっている。組織の意思決定の場に参画している女性研究者は少なく、第4期基本計画が掲げた女性研究者の新規採用割合に関する目標値(自然科学系全体で30%、理学系20%、工学系15%、農学系30%、医学・歯学・薬学系合わせて30%)も達成されていない状況である。
この状況を打開すべく、女性が、研究者や技術者をはじめ科学技術イノベーションを担う多様な人材として一層活躍できるよう取組を加速する。その際、男女問わず、公平に評価する透明な雇用プロセスの構築と、より多様な人材の活躍と働き方の改革が科学技術イノベーション活動を活性化するとの認識を幅広い関係者が共有することが重要である。
国、大学、公的研究機関及び産業界においては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」を活用し、各事業主が、採用割合や指導的立場への登用割合などの目標設定と公表等を行う取組を加速する。特に、女性研究者の新規採用割合については、第4期基本計画が掲げた上記の目標値について、第5期基本計画期間中に速やかに達成すべく、国は、関連する取組について、産学官の総力を結集して総合的に推進する。また、国は、女性が、研究等とライフイベントとの両立を図るための支援や環境整備を行うとともに、ロールモデルや好事例を幅広く周知し、情報共有を図る。さらに、組織の意思決定を行うマネジメント層やPI等への女性リーダーの育成と登用に積極的に取り組む大学及び公的研究機関等の取組を促進する。これらを通じて、組織のマネジメント層を中心とした意識改革等を図る。
また、国は、次代を担う女性が科学技術イノベーションに関連して将来活躍できるよう、女子中高生やその保護者への科学技術系の進路に対する興味関心や理解を深める取組を推進するとともに、関係府省や産業界、学界、民間団体など産学官の連携を強化し、理工系分野での女性の活躍に関する社会一般からの理解の獲得を促進する。
【備考】文部科学省資料より
【備考】文部科学省資料より
対象: | 大学、独立行政法人等 |
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補助事業期間: | 6年間(うち原則として3年間について補助金交付) |
補助機関: | 文部科学省 |
補助金: | 年間3,000万円が上限 |
事業の目的: | 女性研究者がその能力を最大限に発揮できるよう、研究と出産・子育て・介護等との両立や女性研究者の研究力向上を通じたリーダーの育成を一体的に推進するなど、研究環境のダイバーシティ実現に関する目標・計画を掲げ、優れた取組を体系的・組織的に実施する大学・独立行政法人等を選定し、重点的に支援されるものである。 |
事業の概要: |
研究環境のダイバーシティを高め、優れた研究成果の創出につなげるため、各機関・地域の特色を踏まえた、女性研究者の活躍推進に向けた機関としての目標・行動計画を設定・公表することを要件とし、女性研究者のライフイベント及びワーク・ライフ・バランスに配慮した研究環境の整備や女性研究者の研究力向上のための取組及び女性研究者の積極採用や上位職への積極登用に向けた取組に対し支援されるものである。 「特色型」では、大学や研究機関における単一の機関内での部局横断的な取組を、「牽引型」では、大学や研究機関が企業等と連携し、連携する各機関はもとより、その他の機関を含めた地域や分野における女性研究者の活躍促進を牽引する取組を支援するものである。 |
【備考】H28文部科学省 科学技術・学術政策局公募要領より
【備考】文部科学省資料より