女性研究者紹介
女性研究者紹介

本事業で支援した女性研究者の活動を「ロールモデル集 (第1班)(平成29年1月現在)」として紹介しています。 なお、女性研究者を支援した研究支援者及びリサーチ・アシスタントのコメントについては、「研究支援者紹介」をご覧ください。

女性研究者1のライフステージ

支援期間
子供の絵とコーヒー、仕事中の癒しです
日々病理診断を行っている顕微鏡
・研究内容

悪性腫瘍が進行していく際に起こる、周囲組織への浸潤や転移に関係する因子について研究しています。特に皮膚腫瘍を対象にした研究がしたいと考えています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

高校生の時、研究をしてみたいと思い、農学部など理系学部を進路に考えていました。資格を取ったほうがよいというアドバイスや、患者さんのためにというモチベーションを持って働けるという点から医学部を志望しました。

大学卒業後、麻酔科、その後皮膚科に入局しました。皮膚科では病理診断の重要さを感じ、大学院時代は病理学教室で過ごしました。病理像から考える研究に興味を持っていましたが、大学院卒業後に主人の転勤をきっかけに皮膚病理専門に診断する施設で2年間研修しました。その後、病理学教室に入局しました。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

相手の話をよく聞くこと、うわさ話を鵜呑みにしないこと。

・支援についての感想と要望

産休・育休中に、研究支援者の援助により、研究室内での引き継ぎがスムーズに行うことができました。また、支援事業を通じて女性研究者の知り合いが増え、お互いの研究協力につながっています。

・被支援期間中の業績(約6年間(平成29年1月現在))

論文数 32
書籍数 2
学会発表数 8

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は音楽鑑賞で、洋楽も邦楽も聞きます。休日は子供たちと公園に行くことが多いです。好きな食べ物はドーナツやバウムクーヘンです。ストレスに関しては、子供が産まれてからは色々考える暇がないのが現状です。でも逆に、育児や家事が気分転換になって、仕事のストレス軽減になっているのかもしれません。

女性研究者2のライフステージ

支援期間
デスクに飾っている子供からの手紙
仕事しているデスク周り
・研究内容

分子生物学的研究については、時間が取れず難渋しています。指導して頂いている教授の研究の一つである、癌の浸潤・転移に関わるある分子について実験をしています。今は、ターゲットとしている分子が何か別の分子と複合体を形成することによって、癌の浸潤に関わっているのではないか、ということをやっています。病理診断の中では乳腺、脳腫瘍を専門領域にしようと、論文を読んだり、カンファレンスや学会に参加したりする努力を少しずつしています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

医者になった当初は、どの分野も面白そうで決められなかったので、とりあえず内科かなと思い、内科医として臨床研修をスタートしました。血液腫瘍内科の医員として働いていた時、尊敬する先輩の先生方は、病理にも詳しい先生が多く、また、亡くなられて解剖が必要になる患者さんも経験し、病理に興味を持ちました。病理の大学院に進学したことをきっかけに、病理が面白くなり、そのまま病理医の道に入ることになりました。大学に在籍しているため研究も並行して行っていますが、大半の時間は病理医としての業務と教育に占められています。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

どんな時でも明るく元気よく。不機嫌は公害と思っています。

・支援についての感想と要望

出産・育児後も、研究を続けて行きたいと思っている先生方にとって、少しでもサポートがあることは非常に素晴らしいと思います。

・被支援期間中の業績(約6年間(平成29年1月現在))

論文数 33
書籍数 3
学会発表数 8
学内外の研究費採択数 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

週末も仕事で本当に時間がないのですが、月に最低2回くらいは子どもへのサービスデーを作るよう心がけています。子どもの行きたいところに行ったり、仲良しの友だちを家に呼んだり、仕事をせずに一緒にゆっくり過ごしたりです。趣味は読書で、乱読・多読です。漫画も読みます。読書の友が沢山いるので、薦められた本や、貸してくれる本はジャンル問わずほぼ全て読みます。一旦気に入った作家がいたら、その作家の本ばかり読むこともありますね。最近読んだ本は、映画にもなった「64(ロクヨン)」や小保方さんの「あの日」や、発達障害関連の書籍などです。本を読む人が周りに多いので、話題にも事欠きません。映画鑑賞も好きで、映画館に行って観るのが好きです。子どもと一緒に観ることができるものが多いのですが、アニメ、洋画、邦画、関係なく友達からお勧めされたものは行ける限り見に行っています。最近は体感型の映画4DXで「ズートピア」も観ました。毎日本当に忙しいのですが、同僚や上司にも恵まれていますし、仕事も好きでやっているのでストレスは溜まっていません。

女性研究者3のライフステージ

支援期間
いつもパソコンカバーの上でくつろぐ愛猫
学会出張に同行した子供たち
カリフォルニア大学デービス校の校庭にて
・研究内容

臓器線維化の治療薬の開発を目標に研究を行っています。臓器線維化は臓器が固くなって機能を失うことを差し、肝臓が線維化する「肝硬変」、肺が線維化する「肺線維症」、皮膚が線維化すると「瘢痕(はんこん)」が残ります。慢性炎症が長く続くと組織を修復するような過程が働きますが、その過程が進みすぎるとコラーゲンや細胞外マトリクスが増え、組織が硬くなるというイメージです。線維化は死と直結するもので、例えば心臓が線維化したら、元に戻らず硬いまま機能を失っていきます。消化管・肺・肝臓・皮膚などの線維化病変の進行を抑制するのにステロイドなどが広く使用されますが、その抗線維化の作用機序は未だ解明されていません。さらに線維化の治療薬の治験の難しさも薬の開発を遅らせる要因となっています。これらの線維化疾患に対しては臓器移植を除いて有効な治療法がなく、治療薬の開発に向けた線維化のメカニズム解明が急がれています。私たちの研究は、様々な線維化病変を制御する間葉系細胞(線維芽細胞・筋線維芽細胞)を用いて治療ターゲット分子の探索を行っています。また、動物実験では腸の線維化や肺の線維化のモデル動物を作成して、薬物の効果を確認しています。是非、社会に貢献できる発見をすることを目標としています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

医療関係者一族の中で育てられた私は、小さい時から母のような医師になりたいと漠然とした思いを持っておりました。大学卒業後すぐに福岡大学医学部の副手として就職し、実験補助として多くの研究を経験しました。29歳の時に論文博士の取得をキッカケに研究費を獲得し、自分の研究テーマをスタートさせることが出来ました。教育・研究・家庭・育児のバランスを工夫した生活基盤の構築は働く女性研究者にとって最重要課題だと思います。先進国の中で女性の社会進出が最も遅れている日本だからこそ、これから女性には最大のチャンスが到来していると思います。「女子にも最高の教育を受けさせていること」、そして「本人のモチベーションが高くなるように、母親が仕事で活躍していること」という条件が必要だと思います。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

自分の研究分野のみならず、学生、他学部、異業種、隣人、ママ友など、多くの人とコミュニケーションすることによって、視野を広く持つことができる。自分を主語とした話ではなく、必ず相手の視点で話をすることや相手を楽しませる話ができるようになりたいと思っています。

・支援についての感想と要望

女性研究者支援を受けている間に、二人の子育て・末期ガンだった母の介護・一級障害者である義父の看病を乗り越え、無事今日も研究を継続しております。これらのライフイベントをきっかけに十分な研究時間がとれなくなりましたが、研究支援者に助けて頂いたお陰で論文の出版や研究費の取得をほぼ絶やすことなく継続できました。上司からの応援や出産前から自分の研究経費を取得できるようになったことも功を奏し、自分が主導できる研究をスタートすることができました。女性研究者支援によるサポートで研究が大幅に加速して、自ら責任著者を務める論文を出版して、自立した研究者への第一歩を踏み出すことができたと思います。

支援される側のみならず、支援者のステップアップに繋がるように、支援者の論文共著の義務化を要望します。福岡大学の上層部には女性がいなく、看護学科を除く理系学部に女性の教授がほとんどいません。他大学よりロールモデルが少ないことが非常に残念です。

・被支援期間中の業績(約6年間(平成29年1月現在))

論文数 4
書籍数 1
総説数 1
学会発表数 30(筆頭発表者として)
学内外の研究費採択数 12

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は「映画鑑賞」と「ホットヨガ」です。映画は、寝た子供を父に任せて、主人とレイトショーを見に行ったりしています。スパイ映画が好きなのでよく観ていて、個人的に「007」シリーズや「キングスマン」がお勧めです。ホットヨガについては、仕事をしている間はほとんど運動することがないので、運動不足を感じていて、体を動かす方法を色々試していました。その結果、温度・湿度・照明・音楽が完全に最適化されている環境で、1時間適度な動きをするだけで大量の汗をかくホットヨガにたどり着きました。リラックス効果もありますし、気分転換にもなります。家の近くにスタジオができ、週1で通うようになりました。女性のみのレッスンで、色んなレベルのクラスがあるので自分の体力に合わせたレッスンを選択でき、特に冷え性の方にはお勧めです。

ストレス発散法は「掃除・整理整頓」と、「家族や友達とたくさんお話をする」ことです。ストレスが溜まっているときや論文書きが進まない時に、自分のデスク周りの整理をすると、すっきりした後にアイデアが沸くことが多いです。整理整頓が苦手で、普段から不要なものは捨てて溜めないようにしたいです。また、ストレスがあったり嫌なことがあったりした時、客観的にポジティブな意見を話してくれる人に話すとすっきりします。主人にも話を聞いてもらっていまして、非常に応援してくれて聞き上手なので助かっています。

女性研究者4のライフステージ

支援期間
どんなに忙しくても、夜遅くの仕事が残っていても、
大好きなスウィーツとブラックコーヒーで癒されて乗り切れます☆
・研究内容

日本には、マムシ、ハブ、ヤマカガシの3種類の毒ヘビが生息しています。みなさんは、キャンプや登山などでマムシに咬まれたらどうしますか?これらの毒液の中には、出血、筋肉壊死、痛みを引き起こしたりするいろいろな種類のタンパク質が含まれています。これら毒素が、私たちの体の中の何をターゲットとして、重篤な症状を引き起こしているのか、その詳細が分かっていないこともあります。一方、ハブやマムシは自分の毒から身を守る方法を進化の過程で獲得しているようです。私は、なぜ毒ヘビは自分の毒では死なないのか?そのなぞ解きをしています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

学部3年生のとき、私の恩師(寺田成之名誉教授)が楽しそうに研究の話をしている姿をみて、人をそこまで虜にする「研究 (毒) 」とは何なのかを知りたくなり、研究の道に進みました。何かを続ける自分を見つけて強い自信を持ちたかったのかもしれません。研究は誰も知らないことを自分の仮説を立て、実験をし、証明していきます。全く予想外な答えがでてもなぞ解きみたいで楽しいです。また、自分の研究成果が公で評価されることにもやりがいがあります。同時に、毒ヘビの被害に遭って苦しんでいる方々の話を聞いて自分の研究に対する責任もあります。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること
  • 一、相手が(自分も)嫌な気持ちになることは、言わない、しない。ネガティブなことに時間と労力を使わない。
       (1番大切にしています)
  • 一、相手をきちんとみる。自分と相手を理解した上で、お互いの能力を発揮できる方法を考える。
  • 一、お互いにプラスになることは、とことん話し合って、理解し、尊重し、調和するよう考える。
・支援についての感想と要望

私は第二子出産退院後、産休中にこの支援の案内を目にしました。授乳しながら書類を用意したのを覚えています。産前・産後・育児休暇中は、外に出ず自己体力回復、授乳やおむつかえで朝から晩まで時間を取られます。この期間は研究者に限らず、ふっと社会から取り残されているのではないかという不安を感じられる方も多いのではないでしょうか?自分が休暇中でも研究が止まらないで実験装置が動いているだけでもありがたいと思いました。また、私にとってこの支援での大きな利益は、人と人とのつながりです。周りに同世代の研究者がいないと思っていましたが、このプラットホームで同じ環境の方々と知り合うことができ、とても心強く思いました。今後は、忙しい中でも定期的に皆様と交流し、研究もライフイベントもお互いにエンカレッジしたいです。

支援を受け、有意義な時間を過ごさせていただいているので、すごく感謝はしています。ただ、次に繋がるのかなという不安はあります。もし、私がいなくなり、新しい女性研究者が着任された時に、この支援のことを誰が話してくれるのだろうと考えたら、今はいないなと思います。この事業が立ち上がって5年経過していますが、認知度を上げるためにも、今まで以上にアピールしていく必要があると思います。

・被支援期間中の業績(約6年間(平成29年1月現在))

論文数 4
Proceeding 3
書籍数 1
学会発表数 30
学内外の研究費採択数 6
受賞(奨励賞) 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は温泉とサウナで、子供も好きなので一緒によく行きます。基本的に体育会系というかアクティブなので、水泳やエクササイズも好きです。昔は、時間があれば、山登りや1日10キロを走ったりしていました。体が重くなると動くのが億劫になって、そんな時は実験もやろうという気持ちが少し萎えてしまうので、常にフットワークを軽くすることを意識しています。

太る体質ですが、スイーツ(厳密にいうとチョコレート)が大好きです。箱崎に「OPERA」という私の一押しのケーキ屋さんがあります。ここの店名にもなっているオペラというケーキが本当にお勧めです。あとは原にある「STRAWBERRY GARDEN」のチョコレートケーキも生チョコがコーティングされていて美味しいです。

好きなものとも関連しますが、ストレス発散法としては、オペラケーキをホールで食べることです。1人でもペロリと食べちゃいます。

丸1日の休日は月2回ほどですが、子供と過ごすことが多いです。最近は一番下の子も自分のことは自分で表現できるようになって、手が離れたのでだいぶ楽になりました。

女性研究者5のライフステージ

支援期間
長年続けている書道
お気に入りの紅茶シリーズ
ガンバ大阪応援グッズ
・研究内容

心不全に対する医薬品、またサプリメントとしてもよく用いられているコエンザイムQ10(CoQ10)は生体の維持に欠かせない物質であり、体内で活性体(効果のある形)に変化して強力な抗酸化作用を発揮し、老化に伴う種々の症状の改善に有効であることが明らかになっています。しかし、CoQ10及びその活性体は水にほとんど溶けず、体内に吸収されにくいため、そのままでは本来の効果を発揮できません。そこでCoQ10の活性体を吸収されやすくした新しい製剤を開発し、CoQ10不足が原因と言われている皮膚老化の様な病態に対する効果の評価を行っています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

高校時代に有機化学に興味を持ち、有機化学をさらに探求できる薬学の道に進みました。薬学を学ぶにつれて「薬を創りたい」という思いが強くなり、知識と技術の習得のために大学院に進学しました。時間と研究を重ね自分の推測通りの結果が出たときは、大きな達成感が得られます。自分の研究が種となり、それが実(薬)となって世の中に出ることを夢見て、日々研究に励んでいます。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

コミュニケーションの基本として、相手を見てはっきりと挨拶するよう心がけています。私は話し上手ではないので、まずは相手の話にしっかりと耳を傾け、状況をよく理解した上で発言するようにしています。

・支援についての感想と要望

私は第一子妊娠時にこの支援事業に応募しました。初めての出産で、出産・育児により研究活動が途切れることへの不安がありました。夜は保育園の迎えがあり、帰る時間が決まってしまうので、夜遅くまでかかる実験などができなくなりましたが、研究支援者によるサポートのおかげで、計画も立てやすくなりましたし、気も楽になり、円滑に研究活動を進めることができました。また、学部を越えて出産・育児を経験された先生方と広く知り合えたことが、この事業の良い点だと思います。経験談を話してくださったり、相談に乗ってもらえたり、育児休業復帰後も活躍されている先生方の存在はとても心強く、また研究活動を行う上で刺激になっています。

・被支援期間中の業績(約6年間(平成29年1月現在))

論文数 3
書籍数 1
特許数 1
学会発表数 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は書道、サッカー観戦です。書道は小学生の頃からしていて、今はなかなか時間が取れず教室に通うことはできないのですが、年に2回勉強会がある時に参加しています。以前は家でも書いたりしていました。段位は書体によって異なりますが、6〜8段を持っています。

サッカー観戦ではガンバ大阪を応援しています。私のいとこが好きだったため、ガンバ大阪が福岡に来た際に、一緒にスタジアムに応援しに行ったのがきっかけでハマりました。それから20年以上ずっとファンです。福岡には年に1、2回程度しか来ないので、結婚前は大阪までよく応援に行っていました。結婚後は福岡近郊での観戦が主でしたが、最近大阪に新しいスタジアムができ、こけら落としとなる最初の試合を観戦したくて、その時は大阪まで行きました。家でもサッカー観戦しますが、ストレス発散になっています。

好きなものは紅茶です。今までいろんな紅茶を飲んできたので、最近は自宅でお気に入りの紅茶を買って飲んでいます。海外のメーカーだとマリアージュフレールやニナスやエディアールが好きで、それぞれのメーカーで好きな紅茶の種類が決まっています。特にアールグレイは好んで飲みます。

プランターで植物を育てるのが好きで、気分転換になっています。今まではお花を育てていましたが、今年は初めて野菜に挑戦し、トマトとピーマンと落花生を作りました。どの野菜も育てやすく、ピーマンは「こどもピーマン」という品種で苦くないので、子供が収穫して食べるのを楽しみにしていました。上の子はトマトが苦手で、下の子もピーマンが苦手でしたが、食べてくれるようになりました。野菜だと植えるのも収穫も子供と一緒にできるので、食育にも繋がっています。

女性研究者6のライフステージ

支援期間
・研究内容

漢方薬は、植物、動物、鉱物の中で薬効を持つ「生薬」と呼ばれるものを組み合わせて処方調合したものです。身体全体の体力や抵抗力を回復し自然の治癒力を高めるような治療法です。最近では西洋薬とともに漢方薬も様々な病気の治療に使われるようになってきましたが、どのように体に効いているのか詳しいことは分かっていませんでした。そこで、我々は病態モデル動物や培養細胞を使って、漢方薬がどのように効いているのかを明らかにしています。「認知症」に着目している研究室なので、認知症や精神病などの疾患に漢方薬がどう効くかということを研究しています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

小さいころから、物事の成り立ちやどのような原因で事件が起こったか「どうして??どうして??」を親に質問するような子供でした。それがいつの間にか、体の仕組みや薬の効果など科学的な謎を知りたいと思い、大学院に自然と進学していました。そして小さな謎が解けた時の小さな小さな感激が中毒!?となり、現在に繋がっています。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

価値観は人それぞれなので、自分の価値観だけを押し付けないようにすること。個性、多様性はとても大切なので、思いやりを持って行動したいと思っています。

・支援についての感想と要望

支援をいただき、とにかく助かっています。結婚する前は朝から夜中まで研究ができていましたが、家庭を持つとさすがにそれはできなくなり、圧倒的に時間的制約が増えました。今は労働時間が半分ですが、さらに教務や授業の準備などに関わる時間もあり、研究に割ける時間はどうしても少なくなる中で、支援者の方に少しでもやりたかったことをやってもらえる、作業を補っていただけることは、仕事の進捗はもちろんのこと、精神的にも大きな支えになっています。

・被支援期間中の業績(約3年間(平成29年1月現在))

論文数 7
学会発表数 20
学内外の研究費採択数 学内2、学外1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は睡眠です(笑)。時間があればとりあえず寝たいです。あとは週1〜週2のペースで、家の周りを夫婦でランニングしています。子供は走れないので、一緒に自転車で走らせています。始めたきっかけは、主人がもともとランニングをしていて、それに付き合って行くようになりました。最初の頃は1キロできつかったのですが、今は5キロほど走っています。今では、週末の家族の楽しみです。

プラスマイナスゼロですが、ストレス発散は美味しいものを食べることです。最近は、家の近くに新しくできたパン屋さんに通っています。色々試しますが、よく買うのはハード系でバケットなどの素朴なパンが好きです。

女性研究者7のライフステージ

支援期間
ドライブによく行く愛車です
ローズマリーは料理にも使えるし、
香りを楽しみたいときにも重宝しています
・研究内容

みなさんは「速く走る方法」や「正しい走り方」についてご存じですか?走運動は人間の基本的運動能力でありながら、具体的に走りの指導がなされないまま大人になっていく人も少なくありません。疾走能力は「生まれ持ったもので改善できない」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。児童期の疾走能力は著しく向上する時期ですが、この時期に身体に見合った合理的な疾走能力を身に付けることが、その後の可能性を引き出すものと考えられます。発育・発達の影響や個人差を見極め、専門分野でない小学校の先生にも指導できるトレーニング方法の確立に向けて研究を行っています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

大学在学中にも研究に触れる機会はありましたが、その時はまだ研究と競技の現場を繋げて捉えることができませんでした。大学卒業後に、実業団で短距離を専門に競技活動を続けましたが、「速く走るためには何が必要なのか」という試行錯誤の中で再びスポーツ科学と出会いました。世界のトップ選手との比較、自己の現状把握、課題の遂行評価など全てにおいてデータが頼りであり、そこから研究の道に進んでいくようになりました。競技の現場においては、選手、指導者ともに経験値や主観なども重要ではありますが、客観的指標を軸に方向を決めてトレーニングを行うこともまた重要となります。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること
  • ○相手の話をよく聞く。最後まで聞く。
  • ○笑顔で接する。雰囲気も大切にする。
  • ○一度は相手の立場になって考えてみる。
・支援についての感想と要望

私は出産後、大学勤務が決定した時点でこの支援について教えていただきました。育児中に仕事に対しての不安が大きい中で、具体的なイメージは持てなかったものの「手助けしてもらえる」、「1人ではない」といった気持ちで随分と楽になれたのを覚えています。実際に支援を受けてみて、1人で行う以上の作業が出来ることや、再確認を行えるなど、とても心強いです。現在、まだ息子が小さいので研究時間の確保に苦労しますし、日程変更も多くありますが、それでも研究を進められているのは支援のおかげだと感謝しております。

もう一人子供が欲しいと思っていますが、社会に復帰する際に色んな障害があるので、それをバックアップしてくれるような体制があると、安心して出産を迎えることができるのではないかと思います。

・被支援期間中の業績(約2年間(平成29年1月現在))

論文数 1
書籍数 1
学内外の研究費採択数 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

趣味は温泉(サウナ)とDVD鑑賞です。関東にずっと住んでいたので、温泉は群馬や静岡を巡ることが多かったです。特に箱根温泉はよく行っていて、秋は紅葉を見ながら入浴できるので、ただひたすら長風呂していました。福岡に来て2年目で、こちらに来てからはまだ行けてないので、これから開拓していくのが楽しみです。

また、普段がスポーツや競技なので、家ではDVD鑑賞するのが息抜きになっています。ヒューマン系の映画をよく見ていて、個人的にお勧めなのが「ショーシャンクの空に」や「プレシャス」「ヘルプ」「チョコレート」です。後者の3作品は黒人差別の内容で、重くはなりますが考えさせられることが多い映画です。一方でこのような映画を見ることで、自分の悩んでいることは小さなものだな、幸せなんだなと改めて感じることもあります。

食べ物はとにかくチョコレートが大好きです。甘党なので甘いカフェオレをいつも飲んでいたり、甘いものがあるだけで幸せです。ユッケなどのレアのお肉もすごく好きで、最近は禁止になっていますがレバ刺しが1番好きでした。食べられなくなったのが本当に残念です。

ストレス発散法は、ドライブとカフェで過ごすことです。カフェの雰囲気が好きで、友人と話しながらのんびりと過ごすこともありますし、集中してやらなければならないことがある時は、パソコン等を持参して作業をしています。特定のお店ではなくて、いろんな所に出向くことが多いです。愛車は、家族や部活の人を乗せることを無視して、プライベートで選ばせてもらっているので家族に感謝しています。

女性研究者8のライフステージ

支援期間
絵が大好きです
これは自宅にある佐伯祐三のリトグラフ
・研究内容

運転免許や旅券の取得、家の建設許可、生活保護費の支給、海の埋立て等、一般の私人でなく行政が決定します。行政からの義務付けや命令に誰かが従わなかった場合、それを放置するでしょうか?例えば、義務教育に通わないとか、突然10階建ての家を建てる等。法令に適合する状態にしなければ、やりたい放題になってしまいます。私は、適法状態を確保する手法や目的達成のための利益調整の手法について研究しています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

大学4年間での勉強では物足りず更に勉強する必要性を実感していました。私の学生時代には男女雇用機会均等法もなかったため、女性の民間企業への就職は困難でした。このような時代の制約もあり、消極的選択として大学院に進み研究をすることになったというのが正直なところです。大学院入学後は、自分の関心事項について、好きな外国語で文献を読めることで、研究に対する意識が高まっていきました。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること
  • 〇相手の立場に立って物事を考え、行うこと。自分の都合ばかりを考えないこと。
  • 〇些末なことには拘らないこと。無理強いはしない。
  • 〇誠実に対応すること。「人事を尽くして天命を待つ」というのが信条。
・支援についての感想と要望

年齢及び職位に連動して増大する業務と責任、体力の衰えも加わる一方で、高齢出産による子供は独り立ちにはほど遠く、手がかかります。一人ですべて抱えるのと異なり、いざとなれば支援という助けがあるのは精神的に心強いものがありますし、私の不得手なことを補ったもらえ、時間の創出や負担軽減になっています。もし若いときに研究支援制度があったならば、私ももっと早く出産を決断していたでしょう。是非、若い研究者たちが結婚や出産を躊躇するようなことがないよう、支援制度の継続、充実、専門性の向上を期待しています。

・被支援期間中の業績(約2年間(平成29年1月現在))

論文数 2
学内外の研究費採択数 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

国内外を問わず旅行が好きです。国内では温泉、海外ではヨーロッパかリゾート地。1か所に留まっていることが苦手。「明日ヨーロッパに出張に行ってくれないか」と言われればいそいそと出かけていくタイプです。飛行機が飛び立ち日本を離れることの爽快感はたまりません。それと、オペラやクラシック音楽の鑑賞と絵画鑑賞です。オペラも絵画も鑑賞していて感動しますし、美しい。心が震えます。オペラ大好き。宗教書や哲学書を読むのも好きです。法学研究という日常とは異なる、非日常の世界、抽象的な世界が好きなのでしょう。旅行、オペラ、哲学など、精神世界に浸れる、彷徨える時を楽しみにしています。

女性研究者9のライフステージ

支援期間
フランスアルザス地方のワイン畑
佐賀県の酒造
・研究内容

酒類の流通システムを研究しています。どこでどのようにお酒がつくられ、それがどのように販売されるのか、その変化を江戸時代から現代まで長期的に研究しています。日本酒、ワイン、地ビール、焼酎、泡盛の産地をめぐり、経営者から話を伺うこともあります。それと並行して文献史料を収集し、分析しています。日本だけではなく、フランスやイタリアなどのワイン産地にも行き、国際比較を試みています。

・キャリアパス・研究の道へ進んだきっかけ

大学時代に、大学対抗討論会を経験し、議論の楽しさを知りました。また、崩壊前の旧ソ連邦を旅し、混乱する様子を目のあたりにし「市場とはなにか」と考えさせられました。卒業後、銀行へ入行し、奥さんに身の回りの世話をしてもらって朝から晩まで働く男性を見て、その環境で女性がキャリアを積むことは困難だと思いました。事務作業を正確にすることも自分には無理だと思い、無性に学びたい気持ちが芽生え、大学院へ進学しました。

・人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること/心掛けていること

相手が大事にしていることを、できる限り尊重するように気を付けています。基本的に相手の気持ちを忖度することは苦手ですし、だからといって気も遣えない人間なので、ひたすら心の中で反省しています。

・支援についての感想と要望

研究支援により、今までの研究成果をまとめ、自著を出版できました。スケジュールが長期かつタイトだったのですが、研究支援員の方による最終段階の編集および修正のサポートがなければ、締め切りに間に合っていなかったと思います。現在、多くの企業と産学連携の機会ができつつあります。それも支援員の方と議論する中で着想したアイデアがベースになっています。複雑で多様な業務内容に対応して支援くださるので助かっています。

・被支援期間中の業績(約2年間(平成29年1月現在))

書籍数 2 単著および担当章(2017年刊行予定)
学会発表数 3
学内外の研究費採択数 1

・趣味/好きなもの/ストレス発散法

最近は、土日や祝日も結局なんらかの仕事をすることが多くなってしまったのですが、ジョギングをするなど、身体を動かす時間を確保するようにしています。各地の酒造産地は、風光明媚な場所が多いので、その場所へ行くと、心が満たされます。